営農犬?『次郎丸』日記

2000.1月〜3月


1月16日
おとといの14日夕方、庭で犬小屋を作っている最中、次郎丸が吠えたので様子を見に行く。
10mほど手前で呼んでみるがこっちに来ない。なんとなく震えているようにも見える・・
近づことすると逃げたので「マテ」の号令をかけてまた呼ぶと素直にやって来る。が、震えている。
叱られると思ってなのか・・、答えはすぐやってきた。家に戻ろうと歩きだしたのだが、
次郎丸がよたついている。そしてついに歩ける状態でなくなったのだ。抱きかかえて連れ帰る。
もう呼吸は荒く泡状のヨダレがとどめなく流れ、横になったまま便をする。何か拾い食いして毒にで
もあたったのか?ビブーティを口の中に押し込み、震える身体をマッサージしながら頑張れと声を掛ける。
9ヶ月の短い生だったのか・・・。
外は暗くなり寒くなったので、玄関に新聞紙を敷いてそこに次郎丸を移しマッサージを続ける。
便は水ぽっくなってきた。これは快方に向かっているのかそれとも・・・
腕の中で最後を迎えてもいいと思った。でも直感的には大丈夫だと。
倒れて約4時間経ち、出るものも出し尽くしたようで、震えや荒い呼吸も次第に収まり立ち上がれる
ようになった。動けるようになったところで、風呂場に連れて行きヨダレや便で汚れた身体を洗い流し、
チャーハンを作って食べさせたところ、ほとんど残さず食べる。
食欲もあるようだし、これなら大丈夫だろうと一安心したところで、自分の食事となる。

15,16日、食欲はあるのだが、いつものように走り回るほどにはなってないようだ。
体調が回復するにはしばらくかかるのだろ。

犬小屋を作る。大きいほう1800×900×1000(H)
そして小さいほう1200×800×800(H)のサイズで
作る。当初、大きいほうの材料で二棟を作ろうとしたが、
小さいほうのサイズがかなり小さくなりそうだったので、
諦める。横になって足が伸ばせるスペースを確保したかっ
ったから。結局、小さいほうの材料は土木現場で使われて
いた廃材のコンパネを拾って組上げる。構造は簡単にした。
大工道具らしいものもほとんどないし、コストがかからない
ように考えてのことであった。後は塗装して完成。
そもそもなぜ二棟かというと、もう一匹、増えることにな
から。飼い主に飼育を放棄されたジャーマン・シェパード
オスの成犬を引き取ることになったため、早ければ21日から
一緒に暮らすことになるだろう。

1月24日
次郎丸、完全に復帰する。
21日夜、シェパードが到着。名前はキャル、4才。
次郎丸と対面させたところ次郎丸がメスと思ってか興奮し、
落ち着かない。お互い敵愾心はないようではあるが・・。
次郎丸が家の中に逃げ帰るとキャルは絶え間なく吠えまくる。
次郎丸を外に出してつなぐとおとなしくなるのだが、こん
どは、次郎丸がクゥーン、クゥーンと鳴きだして寝られなく
なってしまい、結局こんな調子で朝を迎えることになってし
まい寝不足となる。

散歩に連れて行く。フリーの次郎丸が道草しながらついて来
る。次郎丸の尻を追い回すかと思っていたが、そこそこ
散歩には集中しているようだ。早く次郎丸をオスと認識でき
るようにと広場で綱をはずして自由にさせてみると、さっそく
次郎丸を後ろから襲う、当然次郎丸は抵抗する。こんな次郎丸
を見るのは初めてだ。強い相手にはあお向けになって無抵抗
となるはずなのに。こんなことされても次郎丸のほうが余裕
があるようで、なんか大人に見える。
キャルのプロフィール。
ジャーマン・シェパードのオス年齢4才(?)、血統書付らしい。
名前「キャル」・・・どんな意味があるのか不明、呼びにくいしあまりピンとこない。
生後1年までマンションで飼われたが、その後ある会社の車庫で過ごすことになる。早い話が、
捨てられたのであった。訓練は受けていて指示は英語。いずれにしても育った環境はよくなかった
のか落ち着きがないし、皮膚病があって毛の一部が抜けているところが数カ所ある。
吠えてはクゥーンと鳴く、寂しがりや?。

1月31日
先日、畑に次郎丸とキャルを連れていきキャルを放したところ、次郎丸を追って裏の杉山に消えて
しまう。呼んでも戻ってこないので山の中へと入って行ったのだが、もうその気配はない。
結局、山の裏側まで行ってみたのだが見つけられなかった。林道を通って表の道に出て畑へと戻り
今度はトラックで草の尾を走り回り探してみるが、見つけつることができなかった。
いなくなってから2時間ほど経って家に戻ってみたところ、次郎丸だけ戻ってきていた。
そして今度は、次郎丸を先導させてキャルを探しに行く。林道がある方へと進む。ところが途中に
ある、養豚家に飼われているハスキー犬のところでストップしてしまう。メスだ!ここから離れ
ようとしない。大きな相手に交尾しようとしているが全然届かない。この「バカちんが」とブッ
叩き、綱を付けて畑へ向かう。キャルを探してくれと次郎丸に懇願するものの頼りにならない奴だ。
畑から山へ入ったところで次郎丸を放す。後ろから様子をうかがういつつ次郎丸を追うが、単に
遊んでいるようだ。雪も降ってきて視界も悪くなってきたので、一旦家に戻ることにした。
戻るとキャルが戻っていた!次郎丸の匂いを追って帰って来たんだろうか?指示をしないと何も
できないと聞いていたが・・・、安堵する。約4時間の出来事であった。

キャルがやって来て10日になり落ち着いたとはいえ、今だ次郎丸を追っかけている。
そんな次郎丸は家の中に入り浸りだ。いつもは朝、家を出ると寝るまでほとんど外にいるのだが。
朝夕、散歩させるたびにウンチをする。それも多いときは一回の散歩で3度も。大食漢のわりには
その量は少ないようだし、軟便というやつでドライのドッグフードをすりつぶしたような感じ。
消化がよくないのか?胃腸に問題ありか?するときウーッと唸るのが人間みたいで思わず笑ってしまう。

2月6日
キャルを綱でつながずに散歩させる。次郎丸は相変わらず道草しながらついてくるが、途中で消えて
しまうことも度々だ。散歩していて次郎丸の弱点を発見する。幅30cmほどのH綱2本を幅4m
くらいの川にわたして橋代わりにしている所があるのだが、尻込みして渡れないのだ。尻を押すと
いっきに渡る。キャルはいとも簡単に渡ってしまう。
1mくらいの垂直な土手なんて軽くジャンプして登ったり、飛び降りたりと小型四輪駆動車のごとく
道なき道を縦横無尽に動き回るのだが、一方のキャルはできない。さしずめダンプトラックか。

畑でキャルを放してみる。次郎丸を追いかけ回すかと思いきや、さほど追いかけない。
畑仕事をしている最中はロープでつないでおくつもりだったのだが、その必要もなくてこちらが見える
ところで待機してる。前回のことで懲りたのか?畑に来てまでつながれるのは、犬小屋につながれて
いるのと変わらないし・・・それはそれでよかった。

次郎丸とじゃれているとキャルが割って来ては次郎丸にちょっかいを出す。キャルの目の前でゴルフ
ボールを跳ねらせてみせたが、怖がったように目を細目るだけで遊べない。

自由な次郎丸、忠実なキャル、どちらが人にとっては楽なのか?どちっもどっち?

キャルの皮膚病で毛の抜けている所にビブーティ水を吹きかけ、ついでに飲ます。



遊ぶ?

H綱の橋を渡る

2月15日
次郎丸にH綱の橋を渡る訓練をさせる。散歩のとき、この橋へと続く道をコースにするとついて
こないのだ。100m手前で、分かっているのだ。何回も橋を往復させる。向こう岸に近づくに
つれて一気にに走り出す。橋の中央に連れて行きオスワリをさせようとするが、体が硬くなって
足が少しだが震えている。むりやり座らせるとフセの状態で体を橋の中心に傾け、オスワリができ
ない。また、何度も橋を往復する。走り出すことなく、落ち着いて渡れるようになったところで、
ひとまず訓練終了。

キャルは今だ次郎丸をメスだと思っているようで、隙あらばといったとこだ。そして一回の散歩で
数回(最高で4回)のウンチは変わらず、その時の悲鳴にも似た呻きはかわいそうぐらいだが、
そのうち草の尾にキャルのウンチロードが完成するかもしれない??
今日は走行中の軽トラの荷台でやられてしまう。

起耕してない畑で追っかけこをする。次郎丸が鬼だ。すばしっこいので捕まらない。最初にダウンする
のはキャルだ。以外と持久力がなくて途中で一休みしている。1.5mほどの垂直の土手を登ったり
降りたりしてキャルを鍛えさせているつもりだが・・。軽トラの荷台に乗ろうとして失敗して地面に
仰向けになったり、飛び降りては足を痛めたりと、どんくさい奴なのだ。
疲れたところで一人と2匹で、小川の水を飲んで乾いた喉を潤す。

2月28日
散歩に出る前のマテ状態の2匹。
キャルには英語で次郎丸には当然日本語で指示する。
合図とともに一斉に駆け出し、2Kmの散歩にしゅっぱーつ!
次郎丸はいつものように道草しながらだ。飛び出してきた
ウサギを追っかけて山の中に消えたりと、一緒に家に帰り
着くことは最近ほとんどない。それとまた夜遊びを始める。
先日の区会の集まりで家から1Kmほどの所にある公民館に
行ったところ、突然次郎丸が現れる。

キャルの癖、困ったもんだ!ウンチを食べるのだ。たしかに
見た目はあまり消化がよくないのでウンチらしくはないが・・?
でも臭い!

二匹が遊んでる隙に藪に隠れて様子をうかがう。キャルは
キョキョロしてこちらを探しているが、見つけられない。
匂いを嗅ぐような仕草はしない。目で探しているようだ。


3月31日
ここのところ陽気のせいか2匹とも畑で寝ることが多い。
次郎丸を追いかけ回すこともなくなったキャルは、作業中
の畝のところに来てはどかっと寝そべり中断させられる。

キャルの炎症をおこしているところにビブーティを直接
すり込む。そんなことしていて、肛門の周りもひどく炎症
をおこしているのを発見。尾っぽを触られるのが、苦手な
ようでいまのところ手を出せないでいる。

次郎丸は夕方の散歩から帰って一休み?したあとお出かけ
するのが日課のようだ。どこに行っているのやら・・・
そしていつ帰って来たのかわからないが、真夜中に玄関先
で悲鳴をあげては入れてくれるようアピールするのだった。
・・・無視する。仕方なく?次郎丸邸で寝てるようだ。
猫みたいなやつで自由気ままな毎日を過ごしている。
飼い主に似たのか!?

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